街角フェロモン No.59 女子寮

No.59 女子寮

普段、雪見野が生活の中で使う道の中にひとつ、
“女子寮前の道”というのがありまして…。

そこは誰もが通れるごく普通の道です。
ただ道沿いに女子寮があるだけです。

でも、

女子寮の前って、
なんか歩くだけでドキドキしちゃいますよね。

そのドキドキ感がクセになっちゃって雪見野は、
その道を歩くのが凄く好きなのです。

男の目からみると女子寮って、

「中で何が行われてるんだろう？」

…と、
寮の前を歩いてるだけで妄想が膨らんじゃうですよね。

たとえば、

寮生が、レズビアンのルームメイト迫られてるんじゃないか、

とか、

廊下を裸同然の格好をして平気で歩いてる図…、

そんなことを想像したりなんかして。

洗濯するにも、
寮内に寮生専用のコインランドリーとかがあるわけですよね？

ってことは、
女性下着の宝庫じゃないですか！？

何もしなくてもいいから、
せめてそこで５分だけでも空気を吸わせて！

ってカンジですよね。

んでもって、
各部屋の引き出しには決まって、バイブとかが隠してあったりなんかして、
近くのコンビニでは、みょ～に乾電池が良く売れてたりするんでしょう～か！？

いやあ、
妄想が膨らむ、膨らむ。

でもそんな男子禁制の女子寮でも、
職業によっては中に入れる人たちがいるんですよね。

そう、それは、
宅配便屋さんとか、郵便屋さん。

あ、でも受付でハンコ押されたらそこまでですか…。

う～ん、
なまじそこまで足を踏み入れると、
かえってその奥に入りたい衝動に駆られて辛いでしょうね～。

この世に女子寮が存在する限り、
永遠に男たちの、

“透明人間になりたい願望”は
なくならないでしょうね。

あと、

“女子寮に住んでる子”

ってのも、
その響きだけでちょっと惹かれちゃうところありますよね。

禁断の寮生活…。

「ああっ、いけません先輩っ」

「何言ってるの、女同士の方が男なんかよりずっと気持ちいいのよ。…あたしが教えてあ・げ・る」

なんて事を入寮する時に必ずされてるんじゃないかと、
勝手に想像しちゃったりなんかして。

…とまあ、こんなことを毎回考えてます雪見野は。
女子寮の前を通るたび…。

でもあんまり門の前をチョロチョロするのは気をつけなくてはなりません。

三往復もすれば、もう立派な変質者ですから。

とか言いつつ、今日も、

「誰かカーテン開けて着替えてないかなぁ」

と、つい窓を探しちゃうんですよね

「コットンコミック」２０００年４月号より

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